【大森】鐵道院鉄柱って知ってますか?

大田区を代表する駅「大森」(と私が言い張っているだけなので、真偽のほどを争う気はありません)で
下車したことがあれば、一度くらいは見たことがあるだろう謎の鉄柱。

JR京浜東北線「大森駅」東口、京急バスのロータリーにある広場にひっそりと建てられているもので、
すぐ脇が喫煙所になっているため、喫煙者の方ならよく見る柱かと思います。
この柱は一体なに?
・・・と、その前に、大森を愛して止まない私が、(ちょっと愛を強めに)大森駅を紹介しましょう。

大森駅とは

大森駅(おおもりえき)は、東京都大田区大森北一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅。
乗り入れている路線は、京浜東北線のみ。
所在地は大田区ですが、2つある改札のうち北口改札を出て右へ降りるとそこはお隣の品川区。
つまり二つの区をまたがるようにして存在しています。(でもほとんどは大田区)

大森駅ってとっても古い

大森駅って実は古い歴史があります。
新橋(今の汐留)~横浜(今の桜木町)間に日本で最初の鉄道が通ったのが明治4年(1871年)。
その5年後、明治9年(1876年)に大森駅は開業しています。
“永遠のライバル”と言っても過言ではない、お隣の「蒲田駅」の開業が明治37年(1904年)なので、
大森駅は蒲田駅よりも28年も先輩です。あ、大事なことなので2回言いますね。

大森駅は蒲田駅よりも28年も先輩です。

乗降者数はハンパない

他線との接続がないJRの駅の中では三鷹駅に次いで第2位という乗降者数。(2016年現在)
私自身も通勤で利用していますが、時間帯によっては「大田区じゅうの人が全員集まっているんじゃなかろうか」とすら思える人の往来に時折心がくじけそうになります。

大森ベルポートや日立などの大きな企業ビルがあったり、大田市場方面で働く人たちがバスに乗り換えることも理由の一つですが、大森~蒲田駅間の距離が長いため、都心に出る人たちはバスで移動し、大森を最寄駅にしていることも乗降者数に影響しているかと思われます。

とにかく大森駅っていうのは歴史ある駅だし、利用者の数も多く、すごい駅だということはおわかりいただけたかと。

で、結局のところ駅前のあの柱はなんなの?

大森駅語りが止まらなくなりそうなので、この辺で本題。
冒頭で紹介した謎の鉄柱を、もう少し近づいて見てみましょうか。

1本の柱には「明治四十五年七月製造」と刻まれています。もうこの時点で何やら歴史の扉が開いちゃってますね。もう一辺には「合資会社高田商会」なる文字が。
関東大震災の影響で経営破たんしてしまいましたが、「合資会社高田商会」は、明治・大正を代表する大手商社でした。

そしてもう1本の柱には

鐵道院(鉄道院)」と刻まれています。
実はこの柱は、明治45年(1912)に、当時の鐵道院(現在の国土交通省の前身)の命によって鋳造された鉄柱で、大森駅の階段に使われていたとか。明治45年(1912年)といえば、愛新覚羅溥儀が清朝皇帝を退位したり、タイタニック号が沈没した年。映画「ラストエンペラー」や「タイタニック」はご存知かと思いますが、実際にその出来事が起きた年です。

100年以上も前にすでに存在していた、いわば大森の歴史を知る由緒ある鉄柱だったんですね。

一部とはいえ、そんな歴史ある建造物がよりにもよって喫煙所の隣に設置されているというのは、なんとなく残念な気もしますが・・・。

解説ボードも特にないので、普段目にしていても特別注視されているものではない地味な史跡の一つですが、れっきとした大森の歴史の一部なんです!

大森駅にお立ち寄りの際はぜひその目で見てくださいね~。

さいごに

私は大森で生まれて育って生きてるため、かなり大森への愛が強めに出ており、蒲田の方から叱られそうですが、蒲田駅もまた歴史ある場所なので、機会があればご紹介できればいいなと思っています。

位置情報

所在地JR京浜東北線大森駅東口広場内
交通アクセスJR京浜東北線大森駅東口すぐ
お問い合せ先大田区立郷土博物館 03-3777-1070

この記事を書いた人

すぎもと しのぶ

大田区大森生まれ、大森育ち。別の地域に浮気したこともあったけど、結局また大森に舞い戻ってきました。主に大森周辺を単独でウロウロしています。
ときどき邪気を発するようで、周辺機器やネットワークに不具合が生じがちなのが最近の悩み。