涙が地域の活性化につながる!?

みなさん、涙活ってご存知でしょうか。
涙の活動と書いて、涙活(るいかつ)。
泣いてストレス解消を図ることを、そう呼ぶのだそうです。

今日は、大森商店街のアキナイ山王亭 で行われた涙活イベントの様子をリポートしたいと思います。

イベントを実施する先生は、なみだ先生こと、感涙療法士の吉田英史さん。
まずは、涙についてのレクチャーから始まりました。

涙活とは、2~3分だけでも能動的に涙を流してストレスを解消する健康法。涙を流すと、自律神経が交感神経から、副交感神経優位の状態に切り替わり、身体がリラックスした状態になるのだそうです。

続いては、涙活実践編その1ということで、みなさんで映像鑑賞へ。
1,2分から5,6分の感涙映像が次から次へと流されます。
会場は、号泣の嵐。

涙活実践編その2では、なみだ作文という泣ける話を参加者に書いてもらいます。
最後に発表をするのですが、ここでも、みなさん、号泣。
泣きながら発表する参加者の姿に、もらい涙も。

その次に行われた涙のワークショップは、泣き言セラピー。
涙の形をした紙(涙レター)に、みなさんの泣き言(ストレス)を書き出します。
胸のあたりにモヤモヤとたまっているストレスを言葉にすることで、うちに抱えているストレスが整理され、
またそのストレスと客観的に向き合えるので、今の自分の状態を知ることができるのだそうです。
そのあと、吉田先生から、その泣き言(ストレス)について、涙の効用に基づいてアドバイスが送られます。

「最近、夜、眠れなくて、昼間うとうとしてつらい」という泣き言に対して、
吉田先生から「夜、寝る前に泣いてください!」というアドバイス。
泣くことで、リラックスして睡眠に入りやすくなるのだそうです。

目が腫れるのではという心配は無用。
泣くから腫れるというより、こするから腫れてしまう場合が多く、
目をこすらないことが大事なんだそうです。
また、目の周りの血流をよくしてあげると腫れ防止になるので、
泣いたあとは冷たいタオルで冷やしたり、蒸しタオルで温めたり、
交互に冷温刺激を与えるのも有効だとか。

次は、涙友タイムという交流時間へ。
類は友を呼ぶという諺の、「類」を「涙」に代えて、涙は友を呼ぶ。
みなさんで、涙活体験の感想を言う会を最後に毎回行っているのだそうです。

参加者の前田知美さんに感想を聞いてみました。

★涙活イベントを体験されてどうでしたか。

前田さん:私は元々涙腺が弱く、テレビの中で誰かが泣いていれば、一緒になって泣くほど、普段からよく泣いていますが、涙活に参加して、泣いたあとは、不思議なスッキリ感があり、普段テレビを見て一人で泣いているときとの違いを実感しました。

★人前で泣くってどうですか。

前田さん:最初は人前で泣くのは恥ずかしいと思いましたが、実際は、周りのほとんどの人が泣いているので、全く恥ずかしくなかったです。そもそも、集中して動画を見入って泣いていたので、恥ずかしいとかすっかり忘れていました。

★泣ける話の創作はいかがでしたか。うまく書けましたか?

前田さん:私は亡くなった祖母への手紙を書きましたが、改めて、自分自身、こんなことを思っていたんだなあと振り返る事が出来ました。限られた短い時間では、書ききれないほどの思いがあふれましたので、それを上手くまとめられず、とりとめなくなってしまいましたが…でも、自分の心を素直に書き出せて、なんだか、ホッとした気分になりました。

★涙友タイムに参加されて、どう思われましたか。

前田さん:泣いたあとのディスカッションは、普段なかなか話さないことを話したり、聞いたりして、自分なりに気付きもあってよかったです。いろんな意味で、参加してよかったと思いました。

★涙活にまた参加したいと思いますか?

前田さん:一人でテレビを見て泣いてるときとの違いを実感してしまったので、また是非参加して、スッキリしたいと思います。

最後に講師の吉田英史さんにインタビューしました。

★商店街の中で、涙活イベントをやるのは初めてだそうで、今回のイベント趣旨には 、裏目的があると聞きました。

吉田さん:そうですね。涙活の目的は、ストレス解消。それが本来の狙い。しかし、こういった地域の中でやる涙活イベントには、もう一つ、目的があります。それは地域の活性化。涙活が地域に住んでいる人たちのつながりを生み出すと感じています。

★具体的にはどういうことでしょうか。

吉田さん:同じ体験をシェアした空間というのは、一種、独特な状態になっています。人は、 誰かと共通体験をすると、まったく見知らぬ人でも親近感を持ちやすくなります。 こと、涙活の空間では、涙を流すという体験を共有するのですが、これがなかなか (笑)。どういうことかというと、人が涙を流している場所は、優しさがあふれているんですよね。人の泣き顔をみたり、自分の泣き顔をさらすとき、人は素直になります。 壁がなくなるというか。心のわだかまりもなくなるというか。その結果、その場に一緒にいる人と最初から、本音で話しやすい状態になるようなのです。

★優しさがあふれている。たしかに。

吉田さん:ここからどう地域の活性化につながるかなんですが、地域の公民館や図書館でも涙活イベントをやることがあります。そこで回数を重ねていくうちに、これはもしかしたら、涙活が地域の人々のつながりをつくるツールになるのではと思うようになりました。こんな出来事がありました。ある公民館で、イベントを実施しときに、シングルマザーの人が、赤ちゃんを抱っこしながら参加しました。涙友タイムの時間に、隣にいた90歳の女性と同じ場面で泣いたということで、意気投合してお話をされていました。その後、彼女は、その女性と 仲良くなり、その人に会うために、足しげく公民館に通うことになりました。そこでどんな会話がされているかというと、子育てのやり方を聞いているようなのです 。おばあちゃんの知恵を伝授されているんでしょうね。

★なるほど、涙活がつながりを生み出しましたね。同じ地域に住んでいても、その見知らぬお二人は出会うことはなかったでしょうね。しかも素敵だなと思ったのは、シングルマザーの人の困っていることと、その年配の女性の方の若い人としゃべることでの刺激!(笑)が、双方にプラスに働いている感じがするところも、いいですね~!

吉田さん:そうですね。年配の女性は、若い人とお話をしたがっているかもしれません(笑)比較的上の世代の参加者が多いと、涙友タイムは盛り上がる傾向はありますね。公民館では生涯学習講座というものが日々、開かれています。その参加者層はほぼ60代以上の方らしく、若い人を呼びこみたいのだそうです。そこで、涙活に白羽の矢が(笑)涙活講座だと、下は10代から様々な層が参加されます。老若男女の交流の場ができているのです。

★地域活性化につながりましたね!ストレス社会へのソリューションだけでなく、無縁社会の問題にも切り込んでいますね!

吉田さん:最近、縁に関しての本を読んでいるのですが、こんな興味深いデータがあります。オウチーノ総研が首都圏に住む20歳以上の未婚男女861名を対象に行った「縁」に 関するアンケート調査によると、4人に1人は隣に住む人の顔を知らないということがわかりました。更に60%近くの人は、顔は知っていても話したことはない、あるいは挨拶する程度だという。自分に何かあった時(トラブル、天災、病気など)、 近くに頼れる人はいますかという質問に対して、全くいない、ほとんどいないと答えた人は62%でした。人のつながりが希薄化しているといわれ久しいですが、涙活がそういうところでも貢献できたらよいですね。

吉田さん、ありがとうございました!

なぜ、一人でできることをわざわざ足を運び、しかも大勢の人の中で意図的に涙を流すのだろうか。人には、他人と何かを共有したいという思いがあるのだろう。スポーツ観戦やライブなどを見ると、感動を分かち合いたいなど、その心情は推測しやすい。涙活が、ストレス解消だけでなく、人々の、つながり、縁づくりにも今後、役立っていけたらすばらしいですね。